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地球上の60億人(1998年)のための食糧生産という大きな使命をもつ農業は、世界各国でさまざまな形態をもちながら発達してきました。たとえばアメリカ型の大規模農業、東アジア型の集約的農業、オーストラリア型の酪農、オランダの施設型農業などは、それらを代表するものと言えます。いずれの農業も、生産物である植物や動物で構成されるシステムに、機械、施設などの工業的技術をいかに取り入れ、食糧に到るまでのエネルギー変換効率を最大にするかということに取り組んできました。
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しかし、いずれの国においても多かれ少なかれ、農業人口の減少に対する労働力確保、農産物の国際的競争力の付加、安全で高品質な食糧生産、気象変動によらない生産物の安定供給、人類生存のための環境維持、などの解決しなければならない問題を抱えています。
我々の研究室においては、今後、地球人口の増大に対処可能で、長期にわたって持続的に安定した食糧生産を行い、人類が地球と共存するために、
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1) 複雑で多様な対象物(植物、動物)の物理的、生物的、化学的特性の解析とその融合。
2) 1)に基づいた生産のシステム化とそれを達成するための工学的手法の検討。
3) 人間生存のための限りあるエネルギー、資源の持続的活用と環境維持。
4) ライフサポートシステムなどの新産業の創出。
などが必要と考えています。
これらのことより、我々の研究室では、以下のような具体的目標を掲げて、その基礎と応用に関わる研究・教育活動を行っています。
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これにより、気象、地形・地理的環境条件である「場」の影響を大きくうける地域独自の小規模生産から各国の政策、文化、歴史、他産業等の影響をうける国別に異なる生産、さらには「場」によらない生産まで、工学的手法で広く貢献しようとしています。
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