磁場環境の植物発芽に与える影響
松本 肇
1. はじめに
植物への磁場の影響についての研究は、各国でいろいろな報告がありそのため磁気が植物の成長対して何らかの影響を与えていることは明らかなようである。本研究は、植物の生長ファクタとして発芽期に絞った実験を行ない、種子の品質、周波数との間に何らかの関係があるのかを、検称すことを目的とする。
2. 実験装置及び方法
白菜(Brassica campetris L)、カブ菜(Brassica campetris L)、春菊(Chrysanthemum coronartum L)、葉ダイコン(Rphanus sativus L)、サラダ菜(Lactuca sativa L)、ダイコン(Rphanus sativus L)、カイワレ(Rphanus sativus L)、を供試し、あらかじめほかのものと異形でないものを選別した。磁場実験は、濾紙を用いた通常の発芽試験に磁場を印加するため気温、湿度の制御が可能な環境室で行なった。その中に磁場を発生させる装置(800巻きコイル300φ)を設置した。環境設定として、気温20℃、湿度50%で、初期水分量を上げ追水を行わない。シャーレに種子を30粒ずつ並べ誤差を少なくするために1実験区4シャーレとした。磁場にかける周波数を、1Hz.10Hz.100Hz.1kHzの4種類で、1時間おきに目視で測定し、対照区と比較をおこなった。
3. 結果及び考察
評価の方法としてt検定をした。結果は表1に示す。ダイコンとノザワナは10Hzで5%の有意差があった。カイワレは1Hz・100Hzで1%の有意差があり、10Hzで5%の有意差であった。ハクサイは100Hz・1000Hzで5%の有意差であった。シュンギクは1Hzで5%、10Hzで1%の有意差であった。ハダイコンは10Hz・1000Hzで5%の有意差であった。サラダナは1Hz・1000Hzで5%の有意差であった。発芽率の差は処理区との差である。以上の結果から、カイワレとシュンギクにおいて磁場を受けて発芽に影響があったと、かなりの確信が持てる。品種によっては影響が異なることがわかった。また、同一種でも周波数によって異なることがわかった。今後これらの差が何に起用するか定量化が考えられる。磁場の印可は成長状態にある時に有効であり前処理として、水のみ、種のみでの印可では影響がなかった。
表1 実験結果