米の品種および成分と食味値との関係

米の品種および成分と食味値との関係

羽倉 敬介

1. はじめに
 近年の生活水準の向上により、日本は飽食の時代を迎え、食べ物に不自由しない環境の下にある。そのため、日本人の主食であるお米に対しても、その味に対するニーズが多様化してきている。本研究では、お米の味の善し悪し(おいしさ)を食味形を用いて客観的(理化学的)に評価し、米の成分値(アミロース、タンパク質)および水分の中で何が食味に最も影響し、各成分がどう影響しているのか、また米の品種間の違いで食味がどう変化するのか、を検証することを目的とした。

2. 実験装置及び方法
 本研究で用いた米は、品種は祭り晴、ヒノヒカリ、コシヒカリの3品種であり、祭り晴は2つの水分状態、ヒノヒカリは3つの水分状態、同様にコシヒカリも3水分状態で合計8個のサンプルからデータを得た。これらのデータをそれぞれ2度食味計にかけ、合計16個のデータを用いた。今回使用した食味計(CTA10A;佐竹製作所)から得られるのは食味値、アミロース、タンパク質、水分の4成分である。これらの成分を変数と見なし、解析を行った。本研究では、多変量解析の中の重回帰分析と主成分分析を用いる。食味と諸成分の関係の検討には重回帰分析を適用し、品種間の特徴の分析には主成分分析を用いる。重回帰分析は、食味値を目的変数、諸成分(アミロース、タンパク質、水分)を説明変数として、説明変数から目的変数を予測、制御する解析法であり1次式で表現でき、また自由度調整済み寄与率を求めることにより諸成分がどの程度食味値に寄与しているのか、を検討した。品種間の特徴の解析には主成分分析を適用した。
3. 結果及び考察
 食味値と諸成分の因果関係の解析は、3変数(アミロース、タンパク質、水分)を用いた重回帰式の寄与率が99%であり重回帰式として妥当であるといえる。また各成分の食味値への貢献度や因果関係もはっきり読みとることができた。品種の特徴の検証に関しては、主成分分析の散布図を見た限りでは、はっきりとした傾向を見いだすことができなかった。


図1 実験結果
A;アミロース P;タンパク質 W;水分 を表す

4. まとめ
 本研究において、米の食味とその成分の因果関係は、重回帰分析で非常によい結果が得られた。しかし、品種間の違い(特徴)にある一定の法則性を発見するには至らなかった。この問題の解決には、サンプル数を大幅に増やすこと、別の側面からの解析法(クラスター分析、数量化W類など)が必要であろう。