Lはロボットアーム(以下アーム)の先端部分と人間の頭部の距離,kは係数,iは人間の識別記号である。これまでは,一人の人間を想定していたが,今回は複数の人間が存在する場合の危険度を検討した1)。まずは各人の危険度をそれぞれ算出し,それらの①最大値,②合計値,③平均値,④重み付け(距離),⑤重み付け(危険度)を求めて5種類の関数を再定義した。これらの関数を用いてシミュレーションによって安全性と作業効率を数値化した。危険度が上昇するとアームは動きを制御され安全性が向上するので,安全性 (S)は危険度の累積値を基に算出した。また,作業効率 (E)はアームの移動距離に基づいて算出した。さらに両者を評価するために,大きさS×EおよびバランスE/Sをそれぞれ設定した。なお,SとEは比較しやすいよう上限値を10とした。実験では2人の人間 (i = a, b) を想定した。